特異値分解(特異値標準形)
結論から言うと、 行列 A に対して n 次の unitary 行列 と m 次の unitary 行列 があって
,
ただし (r = rank A) で
と書ける、という主張で、このときの を A の特異値分解という。
今、 は n 次の Hermite 行列であるが、 が定める Hermite 形式
であるから、 は半正値である。したがって、ある unitary 行列 によって
と出来る。ただし r = rank A であり、
として一般性を失わない。
である。そこで とおいて
に対して
(j = 1 , … , r)
とおくと に対しては
であるから、 は正規直交形をなす。後はこれを含むような の正規直交基底 を一つ選んでおいて
とおけば
となって目的の分解を得る。