さて、Hom の左完全性にはもう一つの形があります。
定理 2
左 R - 加群 M , M ' , M '' と準同型
が与えられたとき、
が完全となるための必要十分条件は、任意の左 R - 加群 N に対して
が完全となることである。
(証明)
必要性について
(i) が単射であること
とする。このとき
… (*)
である。 は全射であるから、任意の に対して となる が存在するので、(*) から
、
すなわち が導かれる。したがって だから、 は単射。
(ii) であること
故 。
(iii) であること
とする。今、 は全射であるから、任意の に対して となる が存在するので、これを利用して を
で定義する。もし を満たす別の を選んでも、このとき であるから となる が存在する。それゆえ
となり、 は の取り方によらず一意に定まる。
だから である。
十分性についてはまた後ほど。