ε - δ 論法(その 3)

さて、前回名前が出てきた \varepsilon 論法とは、いったいどんなものなのでしょうか。
基本となる考え方は

数列がある値に収束するならば、数列の十分先は、その値に十分近いところに全て収まっているであろう

というものです。この考え方を頭に入れて、数列の収束の定義を見てみましょう。

定義

数列 \{a_n\}a に収束する(このとき \lim_{n\to\infty}a_n=a と書く)とは、任意の \varepsilon>0 に対して、\varepsilon にのみ依存する自然数 N=N(\varepsilon) が存在して以下を満たすことである。
n\geq N\Rightarrow|a_n-a|<\varepsilon
次回以降、この定義をもとにいくつかの例を確認してみます。