公理的集合論における自然数の存在(その 12)

べき乗に関する性質

べき乗に関する性質として
(1) a^{m+n}=a^m a^n
(2) a^{mn}=(a^m)^n
を挙げておきます。いずれも証明は数学的帰納法を用いますが、もう同じようなことを何度も繰り返すのも面倒なので、定義に基づいて各自で確かめてみてください。

全単射と集合の対等

単射全射といったものの定義は、既に簡潔ながら述べました。また、詳細ははてなキーワードの説明にも書いていますので、そちらを参照してください。
さて、二つの集合 a,b に対して、全単射 f:a\to b が存在するとき、ab対等である、と言い、a\approx b と表します。
集合の対等に関しては

  1. a\approx a
  2. a\approx b\to b\approx a
  3. a\approx b,b\approx c\to a\approx c

という、同値関係に似た性質が成り立ちます。
特に、a\approx n となる自然数 n\in\omega が存在するとき、a有限集合であると言います。また、このことを |a|=n のようにも書きます。