1 から始まる数学的帰納法
これまで用いてきた数学的帰納法は 0 から始まるものでした。しかし、数学的帰納法は、必ず 0 から始まるとは限りません。むしろ、高校で習った(人もいる)ように、1 から始まる場合の方が多かったりします。そこで、そのような場合にも数学的帰納法が使えることを示します。
を示します。まず、 は成り立たないので、 は常に成り立ちます。また、 であり、 とすれば となることから が常に成り立つので、 も成り立ちます。故に は全ての自然数 について成り立ちます。このことから、写像 は から への全単射になることがわかります。
今、 を変数とする命題 が与えられたとき、 となる を用いて、新たな命題を
とおくと、 に対する(従来の)数学的帰納法
を書き換えて、新たに
という、別の形の数学的帰納法を得ることが出来ます。