次は の超越性です。それを示す前に、下準備をしておきます。
を整係数の方程式
の根の全体とするとき、解と係数の関係から分かることとして、 の任意の対称整多項式は の整多項式であり、従って整数となることに注意します。
さて、 が代数的であるとすると、 は代数的なので もまた代数的です。従って は整係数方程式
の根です。ただし で、 は整数です。今、この方程式の根の全体を とすれば、いずれかの は に等しいので
が成り立ちます。従って
です。これを展開すると
… (1)
となります。ただし は 個の数
をある順番で並べたものです。そこで、これら のうち、 個は 0 で残りの 個は 0 でないとし、 として問題ありません。
の任意の対称整多項式は 、すなわち の対称整多項式です。したがってそれは の対称整多項式ですから、最初の議論から、それは整数になります。
(1) 式を簡略化して
… (2)
と書いておくことにします。(続く)