ファイバー積と双対ファイバー積
対象 と、射 に対し、 のファイバー積(fiber product)とは、 で、以下の性質を満たすもののことを言います。
- で を満たすものが存在するならば、 で を満たすものが一意に存在する
このとき、上図の正方形の図式を引き戻し(pullback)と言います。
同様に、対象 と、射 に対し、 の双対ファイバー積(cofiber product)とは、 で、以下の性質を満たすもののことを言います。
- で を満たすものが存在するならば、 で を満たすものが一意に存在する
コンマ圏とファイバー積
圏 の対象 s を固定します。このとき、圏 の対象 a と、射 の組を新たな対象とし、また から への射の集合を、 で を満たすものの全体とすることによって、新しい圏を作ることが出来ます。これを で表し、コンマ圏と言います。このとき、 のファイバー積とは、コンマ圏 における と の直積に他ならないことが確かめられます。