の整数論(続き)
さて、 には、もう一つ、著しい性質があります。それは、 に対し
となる が存在することです。
故、
と書けます。ここで に最も近い有理整数をそれぞれ とおき とおきます。このとき
故、
となります。そこで とおけば
となります。これにより は Euclid 環となり、従って素因数分解の一意性が成り立つのです ! このようなことは非常に特殊なケースで、例えば d:id:redcat_math:20051002 にも書いたように、 では素因数分解の一意性は成り立ちません。
以降、明日、必要な補題を 5 個用意し、明後日、いよいよ Fermat の最終定理の n = 5 の場合の証明に入りたいと思います。