Fermat の最終定理に挑む(その 5)

そもそも二次体とは ?

L を二次体とします。このとき、L は \mathbb{Q} 上の二次のベクトル空間ですから、L の元 x は、ある \theta\in L (もちろん \theta\not\in\mathbb{Q}) を用いて
x=a+b\theta (a,b\in\mathbb{Q})
と表せます。そこで、\theta の最小多項式
x^2-px+q
とすると
\theta=\frac{p\pm\sqrt{p^2-4q}}{2}
のいずれかですが、このとき
\sqrt{p^2-4q}=r\sqrt{m}
となるような有理数 r、及び、平方因子を持たない整数 m が存在します。従って \theta\in\mathbb{Q}(\sqrt{m}) が成り立ちます。このことから、二次体 L は、平方因子を持たないある整数 m を用いて
L=\mathbb{Q}(\sqrt{m})
と表すことが出来ます。m は平方因子を持たないので、m\not\equiv 0\pmod{4} となることに注意しましょう。