級数と Lebesgue 積分(補足)

ボロミアン・リング

以前の議論の中で、いくらかぼかしていた部分があったので、ここではっきりさせておきます。可測関数 f に対し、f が可積分であることと、|f| が可積分であることが同値である、と書きました。f が実数値のときは確かに定義からすぐわかるので良いのですが、複素数値のときはやや議論が必要です。
といっても、不等式
|\Re f|\leq|f|\leq\sqrt{2}\max\{|\Re f|,|\Im f|\},|\Im f|\leq|f|\leq\sqrt{2}\max\{|\Re f|,|\Im f|\}
が成り立つので、

f が可積分 \stackrel{\fs{-1}\text{def}}{\Leftrightarrow}\Re f,\Im f が可積分 \Leftrightarrow|\Re f|,|\Im f| が可積分 \Leftrightarrow |f| が可積分

という程度のことです。