選択関数と選択公理
最後に、選択公理の別の形を紹介しておきます。
が集合 の選択関数であるとは
のことを言います。空でない集合族から一つずつ要素を選んでいる関数です。ここで新たな命題を用意します。
(IX')
全ての集合は選択関数を持つ。
この命題に関しては、次の定理が成り立ちます。
定理
(証明)
(←) ZF + (IX') で考える。(IX) を証明するために
なる集合 をとる。このとき (IX') により選択関数 が存在する。 である。 は に対する選択集合である。
(→) ZF + (IX) で考える。任意に なる集合 をとる。
は集合であり、 の各要素は空でなく、またどの二つの要素も互いに素であるから、 の選択集合 が存在する。
とすれば、 は の選択関数である。