前回までで圏論を軽く(?)紹介しましたが、ここで改めて(?)、集合論を公理的に見直してみましょう。今回は準備に留め、本格的に公理系を述べるのは次回以降にしたいと思います。
記号系と形成規則
今、集合論を公理的に扱うために、いくつかの記号を用意します。
- 論理記号
- 限定作用素
- (存在記号) , (全称記号)
- 特異記号
- ( , )
- 個体変数
- (無限個)
- 等号
- 2 項述語記号
また、以上の記号に対して、以下の「形成規則」を与えます。
- が変数のとき は論理式である。
- が論理式のとき は論理式である。
- が論理式で x が変数ならば は論理式である*1。
- 以上によって与えられるもののみが論理式である。
この第四の規則は、例えば のようなものが論理式ではないことを結論付けるために必要です。まぁ、このあたりのところを真面目に理解しようとすると、記号論理の知識が不可欠なので、適当に読み流してください。
略記法
便宜上、いくつかの略記法を用意しておきます。
略記法 | 意味 |
---|---|
または | |
*1:このとき変数 x は束縛変数であると言います。