円積問題

さて、前回 \pi超越数であることを証明しました。この事実から、「与えられた円と同じ面積の正方形を作図すること」という作図問題の不可能性が証明できます。
与えられた円の半径は、仮に 1 であるとして問題ありません。すると、与えられた円の面積はちょうど \pi です。
これと同じ面積の正方形を作図するためには、\sqrt{\pi} が作図できれば良いことになるのですが、体の拡大 \mathbb{Q}(\sqrt{\pi})/\mathbb{Q} は、中間体である \mathbb{Q}(\pi) が前回の話から \mathbb{Q} の超越拡大となるため、元の拡大も超越拡大です。従って作図不可能なことが分かります。