加法定理 = 指数法則 !?

三角関数の加法定理が、実は指数法則である、と言われたら、誰だって「えっ !?」と思うはずです。ところが豈図らんや、以下のようにしてそれを実証することができます。
指数法則 e^{x+y}=e^xe^y は、x , y が複素数のときにも成り立つことが知られています。このことと、Euler の公式 e^{ix}=\cos x+i\sin x を使うと
\begin{align}e^{i(x+y)}&=e^{ix}e^{iy}\\&=(\cos x+i\sin x)(\cos y+i\sin y)\\&=(\cos x\cos y-\sin x\sin y)+i(\sin x\cos y+\cos x\sin y)\end{align}
となります。ところで左辺は \cos(x+y)+i\sin(x+y) に等しいので、実部と虚部を比較すれば

  • \cos(x+y)=\cos x\cos y-\sin x\sin y
  • \sin(x+y)=\sin x\cos y+\cos x\sin y

がちゃんと導かれます。